身体拘束等適正化のための指針
更新日:2024年01月16日
社会福祉法人前橋市社会福祉協議会
指針の目的
身体拘束は、利用者の生活の自由を制限することであり、利用者の尊厳ある生活を阻むものである。
本会では、利用者の尊厳と主体性を尊重し、拘束を安易に正当化することなく、職員一人ひとりが身体的・精神的弊害を理解し、拘束廃止の意識を持ち、利用者の生命又は身体を保護するため緊急やむを得ない場合を除き、身体拘束をしない支援・介護を実践するため、本指針を定める。
(1) 緊急・やむを得ない場合の3原則
緊急・やむを得えず身体拘束を行う場合には、次の3つの要件を満たすことが必要である。
①切迫性:利用者本人または他の利用者の生命または身体が危険にさらされる可能性が著しく高いこと
②非代替性:身体拘束その他の行動制限を行う以外に代替する支援・介護方法等がないこと。
③一 時 性:身体拘束その他の行動制限が一時的なものであること。
(2) 身体拘束に該当する具体的行為
参考:介護保険指定基準において禁止の対象となる具体的な行為(令和元年9月)
①徘徊しないように、車椅子や椅子、ベッドに体幹や四肢をひも等で縛る。
②転落しないように、ベッドに体幹や四肢をひも等で縛る。
③自分で降りられないように、ベッドを柵(サイドレール)で囲む。
④点滴・経管栄養等のチューブを抜かないように、四肢をひも等で縛る。
⑤点滴・経管栄養等のチューブを抜かないように、又は皮膚をかきむしらないように手指の機能を制限するミトン型の手袋等をつける。
⑥車椅子や椅子からずり落ちたり、立ち上がったりしないように、Y字型抑制帯や腰ベルト、車椅子テーブルをつける。
⑦立ち上がる能力のある人の立ち上がりを妨げるような椅子を使用する。
⑧脱衣やおむつはずしを制限するために、介護衣(つなぎ服)を着せる。
⑨他人への迷惑行為を防ぐために、ベッドなどに体幹や四肢をひも等で縛る。
⑩行動を落ち着かせるために、向精神薬を過剰に服用させる。
⑪自分の意思で開けることのできない居室等に隔離する。
基本方針
(1) 身体拘束及び行動制限の原則禁止
本会では、サービス提供にあたっては、利用者の生命、又は身体を保護するため緊急やむを得ない場合を除き、利用者の身体拘束及びその行動制限を原則禁止とする。
(2) 緊急やむを得ず身体拘束を行う場合
利用者又は他の利用者の生命又は身体を保護するための措置としてやむを得ず身体拘束を行う場合については、切迫性・非代替性・一時性の3原則をすべて満たした場合のみ、組織により決定し、本人又は家族の同意を得て行う。
身体拘束を行った場合は、できるだけ早期に拘束を介助すべく努力する。
(3) 記録及び報告
① 緊急やむを得ず身体拘束を行う場合、次の項目について、記録し、本人又は家族へ書面にて同意を得る。
・拘束が必要になる理由(個別の状況)
・拘束の方法(場所、行為(部位・内容))
・拘束の時間帯及び時間
・特記すべき心身の状況
・拘束開始及び解除の予定
② 緊急やむを得ず身体拘束を実施した場合、次の項目について、記録し、身体拘束等適正化委員会で拘束(3要件の具体的な再検討)に向けた確認を行う。
・身体拘束の実施状況
・利用者の日々の態様(時間や状況ごとの動作や様子等)
・再検討の結果
(4) 日常のサービス提供における留意事項
身体拘束を行う必要を生じさせないために、日常的に以下のことに取り組む。
① 利用者主体の行動・尊厳ある生活に努める。
② 言葉や応答等で、利用者の精神的な自由を妨げないよう努める。
③ 利用者の思いをくみ取り、個々に応じた丁寧な対応をする。
取り組み
(1) 身体拘束等適正化検討委員会
本会において、身体拘束等適正化を目指すための取り組み等の確認・改善を検討するため、身体拘束等適正化検討委員会を設置する。
この身体拘束等適正化検討委員会は、虐待防止委員会と一体的に設置・運営するものとする。
① 委員の構成
委員の構成は、虐待防止委員会の委員で構成する。
② 委員会の開催
委員会は、年1回以上開催する。
なお、緊急やむを得ない理由から身体拘束を実施した場合には、身体拘束の実施状況の確認や3要件を具体的に検討するため開催する。
③ 委員会の協議事項
ア 身体拘束について報告する。
イ 報告された事例を集計し分析する。
事例の分析に当たっては、身体拘束等の発生時の状況等を分析し、身体拘束の発生原 因、結果等を取りまとめ、当該事例の適正性と適正化を検討する。
ウ 適正化策を講じた後に、その効果について検証する。
(2) 身体拘束等適正化のための研修及び周知
① 年1回以上、身体拘束等適正化の知識の普及・啓発を目的に実施する。
この身体拘束等適正化の研修は、虐待防止の取組で取り扱う場合には、虐待防止の研修と一体的に実施するものとする。
② 採用職員に対する身体拘束廃止のための研修を実施する。
③ 委員会で報告された事例、及び分析結果を周知する。
(3) 本指針の閲覧及び周知
本指針は、本会の虐待防止マニュアルに綴り、すべての職員が閲覧を可能とするほか、利用者や利用者の家族が閲覧できるように事業所への掲示やホームページへ掲載する。
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- 介護事業課 居宅介護支援事業所/ヘルパーステーション
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